脇は汗をかきやすい
多汗症の中でも腋が集中的に汗の発生源になっている症状を腋窩多汗症といいます。 この部位は多汗症ではない通常の人でも汗腺が多く活動しており、もともと汗をかきやすい場所なのですが腋窩多汗症の人は異常なまでにここに汗をかきます。 それほど激しい運動をしていないのにTシャツの腋の下の部分が汗で染みになっている、なんてのは肥満気味な方によくあることですが、腋窩多汗症だとほぼ常時そんな感じの腋の下になるでしょう。 恰幅の良い、良く食べる太ったタレントさんはこの汗を自慢げに披露していますし、それが視聴者に求められていることもみんなが知っています。 偉大なる先輩からそう教わったのでしょうし、デブであることを売りにしている立場なら腋の下の汗も勲章かもしれません。 ですが普通の学生やフリータだと、自分がデブであることを自覚していようが、周囲から肥満児と思われているのは確実だと認識していようが、この部分に汗をかいてTシャツを湿らすのは好ましいとは思っていません。 なので可能ならば多汗症治療により汗を減らしたいと願っています。
不都合とは
具体的にどんな不都合があるのか、腋窩多汗症の患者さんがいかに神経をすり減らして生活しているのか、みなさんは考えたことがあるでしょうか。 一番気にされているのは、そこにたくさん汗をかいていることが目立っているのではないかとの心配のようです。 夏でなければジャケットやパーカー、ジャージなど上着類を着る事で隠せますが、冬や秋でもないのに、我慢大会の日でもない暑い日にロングコートを着るわけにはいきませんし、シーズンや出掛け先によってはTシャツのみかそれに近い衣服を着用していなければ不自然なこともあります。 そんな薄着でそこそこ温暖な陽気の中数分過ごせば、腋の下の部分に汗で染みがつくられるのは避けられないことです。 Tシャツの色を工夫して目立たないように努力をしても、完璧に誤魔化すことは難しいので他人の目が気になってしまうでしょう。 汗をかくのが当たり前な運動をしたり、皆が同じように汗をかいていればそんなに恥ずかしい気持ちにはなりませんが、自分だけが腋下に染みを製作しているという事実は誰にも知られたくないのです。 そのせいで楽しいイベントが企画されていても存分に歓喜の渦に身を任せることができませんし、とにかく汗が気になり集中できないのです。 また腋臭の原因となる部位ですし、汗の染みだけではなく臭いにも神経質になります。「こんなに腋の下がぐっしょりだけど嫌な臭いを発してないかな?知らないフリをしてくれているだけでみんなに不快感を与えちゃってないかな、継続的に」と人が集まる場所では心配になってしまいます。 その結果人との関わりあいを持ちたがらないようになりますし、野生的な顔をしていたらロンリーウルフというアダナを付けられるかもしれません。 腋窩多汗症の治療を受けよう、なんらかの対策をしようとする人もいますが、それだって楽なことではありません。
治療を受けるかどうか
シャツがすぐに汗で濡れてしまうので着替えを何着か持ち歩くようにする人、染み対策として目立たない色のお洋服しか着られない人、またデザインも限定されて自分が着たい服を身に付けて外出しづらくなる人なんかがいます。 お洋服以外にも、どこに行くにもタオルを持参しなければならなかったり、ワキ下パッド無しでは人前に出られなくなったりとなにかと大変なようです。 腋の下は暑い日や運動した時だけでなく、緊張やストレスが原因で発汗することも分かっているのですが、腋窩多汗症の方は緊張もストレスも常人より多目に感じて毎日を過ごしています。 なのでなんの対策もしないでいるとこのサイクルは半永久的に続きますので、悩み続けるよりかは多汗症治療を受けた方がいいかもしれませんね。